カーリング女子代表はなぜ選抜チームにしない?フォルティウスが丸ごと代表になる理由

スポーツ

こんにちは!とめとです。

冬季オリンピックでカーリング女子を見ていると、「ロコ・ソラーレ」や「フォルティウス」といったチーム名で日本代表が出場していますよね。

サッカーや野球みたいに、各チームから選抜した”オールスター”じゃないことに、「なんで?」と思ったことはありませんか?

実はカーリングの日本代表は、国内で勝ち抜いたチームがそのまま丸ごと代表になるという独特の仕組みなんです。

この記事では、なぜカーリングは選抜制にしないのか、その理由や背景について、ウインタースポーツ初心者の方にもわかりやすくお伝えしていきますね!

カーリング女子代表は「チーム丸ごと」が基本!選抜制じゃないの?

カーリングの日本代表を決める方法は、他のスポーツとはかなり違います。

例えばサッカー日本代表なら、Jリーグの各チームから優秀な選手を選んで「日本代表チーム」を作りますよね。

でもカーリングは違うんです。日本選手権で優勝したチーム(またはそれに準ずる成績を残したチーム)が、メンバーそのままで日本代表になるという仕組みなんですよ。

つまり、フォルティウスが代表になったときは、吉村紗也香、小野寺佳歩、小谷優奈、近江谷杏菜、小林未奈たちがいつも一緒に練習しているメンバーで、そのままオリンピックに出場するわけです。

「えっ、それって日本のベスト選手を集めたほうが強いんじゃないの?」と思いますよね。

私も最初は不思議でした。

でも、カーリングにはこの方法が理にかなっている深い理由があったんです!

フォルティウスが丸ごと代表になる仕組みとは

では、具体的にどうやって日本代表が決まるのか見ていきましょう。

日本選手権で優勝したチームがそのまま代表に

日本カーリング協会の代表選考方法は、基本的にこうなっています。

毎年2月頃に開催される「日本カーリング選手権」で優勝したチーム、または世界選手権の成績が良かったチームが、オリンピックや世界大会の日本代表候補になります。

複数のチームが候補になった場合は、「日本代表決定戦」という試合を行って、最終的な代表チームを決定します。

2025年9月に行われた代表決定戦では、フォルティウス、SC軽井沢クラブ、ロコ・ソラーレの3チームが激しい戦いを繰り広げ、フォルティウスが勝利してミラノ五輪の代表権を獲得しました。

重要なのは、この戦いは「チーム対チーム」であり、個人選手の選抜ではないということです。

サッカーや野球で例えるとどうなる?

これ、他のスポーツで例えると、かなりユニークなんですよ。

例えばサッカーなら、「Jリーグで優勝したチームが、そのメンバーのまま日本代表としてワールドカップに出場する」ようなもの。

野球で言えば、「日本シリーズで優勝したチームが、そのままWBC日本代表になる」という感じです。

ちょっと想像してみてください。横浜F・マリノスが優勝したら、マリノスのメンバーがそのまま日本代表に…阪神タイガースが日本一になったら、そのまま侍ジャパンに…。すごく斬新ですよね!

でもカーリングでは、この方式こそが最強のチームを作る方法だと考えられているんです。

なぜ選抜制にしないのか?3つの理由

それでは本題です。

なぜカーリングは選抜制にしないのでしょうか?主な理由は3つあります。

理由①チームビルディングに何年もかかるから

カーリングは、チームの息がピッタリ合っていないと勝てないスポーツなんです。

カーリングでは、スキップ(司令塔)が戦略を立てて、メンバーに指示を出します。

そして他のメンバーは、スキップの意図を瞬時に理解して動く必要があります。

この「阿吽の呼吸」を作るには、何年もの時間が必要なんですよね。

ロコ・ソラーレのメンバーは、10年以上一緒にプレーしてきた仲間たち。

その長い時間の中で、お互いの癖や考え方、プレースタイルを深く理解しています。

これは一朝一夕では作れない財産なんです。

学生時代にバスケットボールをやっていた私も、チームメイトとの息が合ってくるのに時間がかかったことを思い出します。

スポーツって、技術だけじゃなくて、人と人との信頼関係が本当に大切なんですよね。

理由②カーリングはコミュニケーションが命

カーリングの試合を見ていると、選手たちがずっと話していることに気づきませんか?

実はあの会話、全部が戦略なんです。

「次はどこを狙う?」「この石の位置はどう?」「相手の狙いは何だろう?」といったことを、1試合で何百回も話し合いながら進めていきます。

この細かいコミュニケーションは、日頃から一緒に練習しているチームだからこそスムーズにできるもの。

選抜チームで短期間の合宿をしただけでは、到底真似できないんです。

平昌オリンピックで「そだねー」が話題になりましたが、あの和やかな会話の裏には、緻密な戦略の共有があったんですね。

コミュニケーションの質が、勝敗を左右する。

だからこそ、普段から一緒にいるチームが有利なんです。

理由③短期間の合宿では対応できない

仮に「日本最強の選手4人」を集めて選抜チームを作ったとします。

でも、その4人が初めて組むチームだったら?

カーリングでは、各選手のポジション(投げる順番や役割)によって求められる技術が違います。

リードは先攻の戦略を立てる重要な役割、セカンドは状況判断力、サードは多様なショット、スキップは全体の指揮…それぞれが高度に専門化されているんです。

しかも、これらの役割は何年もかけて磨かれていくもの。

数ヶ月の合宿でポジションを変えて「はい、今日からあなたはサードね」と言われても、すぐに対応できるものではありません。

日頃から同じメンバーで、同じポジションで、同じ戦略を練ってきたチームこそが、最高のパフォーマンスを発揮できる。

これがカーリングの真実なんですね。

「4年計画で選抜チームを作ればいいのでは?」への答え

ここまで読んで、「じゃあオリンピックの4年前から選抜チームを作って、じっくり育てればいいんじゃない?」と思った方もいるかもしれません。

実は私も同じことを考えました!

でも、日本の環境では難しい現実があるんです。

日本のカーリング環境では難しい現実

日本のカーリング選手の多くは、プロではなくアマチュア選手です。

つまり、普段は企業に勤めながら、仕事が終わってから練習している選手がほとんど。

フォルティウスのメンバーも、地元 北海道札幌市を拠点としながらカーリングを続けています。

もし選抜チームを作るとなると、全国バラバラの場所に住んでいる選手たちを一箇所に集めて、毎日一緒に練習する必要があります。

でもそれには、選手の仕事をどうするか、生活拠点をどこにするか、といった大きな問題が出てきます。

カーリングの競技人口は日本で約2,300人。

まだまだマイナースポーツで、国からの強化費も潤沢とは言えません。

そんな中で選抜チームを作って維持するのは、現実的にかなり厳しいんですよね。

資金面や選手の生活基盤の問題

もう一つ大きな問題が、お金の話です。

カーリングチームを運営するには、練習場の使用料、遠征費、コーチの人件費など、多額の資金が必要です。

現在の日本のトップチームは、地元企業や自治体のサポートを受けながら、なんとか活動を続けている状況なんです。

実際、2024年には日本選手権で優勝したフォルティウスが、スポンサーだった北海道銀行との契約終了により、一時は活動が危ぶまれる事態になりました。

メンバーは「貯金を切り崩して生活していた」と語っています。

こうした厳しい環境の中で、既存のチームを解体して選抜チームを作るリスクを取るより、実績のあるチームをそのまま代表にする方が、現実的で効果的なんですね。

人と人との絆を大切にしながら、地道に積み重ねてきたものを信じる。

これって、スポーツだけじゃなく、人生でも大事なことだなって思います。

他の国はどうしてる?海外の代表選考方法

ここで気になるのが、「他の国はどうしているの?」ということですよね。

イギリスは選抜制を採用

実は、カーリング強豪国の中でも代表の決め方は国によって違うんです。

イギリス(スコットランド)は選抜制を採用しています。

複数のチームから優秀な選手を選び、ベストメンバーを組んで代表チームを作る方式です。

2022年北京オリンピックで金メダルを獲得したイギリス女子代表も、選抜チームでした

イギリスがこの方式を取れるのは、カーリングの競技人口が多く、資金面でも充実しているから。

選抜された選手たちが長期間一緒に練習できる環境が整っているんですね。

一方で、選抜制にもデメリットがあります。

個人の実力は高くても、チームとしての結束力が弱いと、重要な場面で脆さが出ることも。

実際、イギリスは過去に選抜制とチーム制を何度も行き来しているんです。

国によって異なる代表の作り方

カナダやスウェーデンなど他の強豪国は、日本と同じようにチーム制を基本としています。

ただし、カナダのようにカーリング大国では、国内の競争が激しく、どのチームが代表になっても世界トップレベル。日本とは競技環境が全然違うんですよね。

結局のところ、代表の選び方に絶対的な正解はなく、その国の環境や文化、資金力に合わせた方法を選んでいるというのが実情です。

日本は日本の事情に合った方法を選んでいる、と考えるとスッキリしますよね。

日本カーリング協会の方針と歴史

では、日本はいつからチーム制を採用しているのでしょうか?

2002年ソルトレーク五輪以降はチーム制

日本カーリング協会が本格的にチーム制を採用したのは、2002年のソルトレークシティ五輪以降です。

それ以前は選抜制も試されたことがあったそうですが、結果が出ませんでした。

やはりチームワークが命のカーリングでは、即席で作ったチームでは太刀打ちできなかったんですね。

そこで協会は方針を転換。

「日本選手権で勝ち抜いたチームをそのまま代表にする」という現在の方式になりました。

この判断が、後の躍進につながっていくことになります。

この方式で実績も出ている

そして、この方式は確実に結果を出しています!

2018年平昌オリンピックでは、ロコ・ソラーレが銅メダルを獲得。

2022年北京オリンピックでも銀メダルを獲得しました。

さらに世界選手権でも、日本勢が何度も表彰台に上がっています。

これらの成績は、長年一緒に練習してきたチームだからこそ成し遂げられたもの。

チーム制という方針が、間違っていなかったことを証明していますよね。

もちろん、今後さらに環境が整えば、選抜制の可能性もゼロではありません。

でも現時点では、チーム制が日本にとってベストな選択だと言えそうです。

世間の反応やファンの声

この「チーム制」について、ファンやネット上ではどんな意見があるのでしょうか?

SNSやネット掲示板を見ると、意見は大きく分かれています。

チーム制を支持する声としては、
「カーリングはチームワークが命だから、選抜制は意味がない」
「チームの絆を見ていると、あのメンバーじゃなきゃダメだと思う」
「長年一緒にやってきたチームが報われる仕組みっていいよね」

一方で、選抜制を望む声もあります。
「各チームのベスト選手を集めたらもっと強くなるんじゃない?」
「若手の有望選手が、チームに恵まれないと日の目を見ないのはかわいそう」
「イギリスは選抜制で金メダル取ってるじゃん」

確かに、どちらの意見も一理ありますよね。

ただ、カーリングという競技の特性を考えると、やはりチーム制に分があるように思えます。

何年もかけて培ってきた信頼関係や、言葉にしなくても伝わる絆。

それこそが、カーリングの強さの源なんだと感じます。

人と人とのつながりを大切にする日本らしい選択だとも言えるかもしれませんね。

まとめ:カーリング女子代表がチーム制なのは理にかなっている!

カーリング女子代表がなぜ選抜制ではなくチーム制なのか、まとめてみましょう。

【要点まとめ】
・日本選手権で勝ち抜いたチームがそのまま代表になる「チーム制」を採用
・カーリングはチームビルディングに何年もかかる特殊なスポーツ
・コミュニケーションが命で、短期間の合宿では対応できない
・日本の環境では資金面や選手の生活基盤の問題があり、選抜制は現実的に難しい
・イギリスは選抜制だが、国によって事情は異なる
・2002年以降チーム制を採用し、実際にメダルも獲得している

最初は「なんで選抜にしないの?」と不思議に思っていたカーリングの代表選考ですが、調べてみると深い理由があったんですね。

チームワーク、コミュニケーション、長年の信頼関係…これらすべてが勝利につながる。

そう考えると、チーム制はとても理にかなった選択だと納得できます。

何年もかけて積み重ねてきたものを信じて、仲間と一緒に夢に挑戦する。

カーリング選手たちの姿から、スポーツの枠を超えた大切なものを感じます。

次の冬季オリンピックでカーリングを見るときは、ぜひ選手たちの「チームとしての絆」にも注目してみてくださいね。

きっと、もっと深く楽しめるはずです!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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